医療格差

医療格差とは、人々が医療サービスを受ける際に起こる様々な格差のことをいいます。このような格差は、地方と都市部との医療の充実度の差や、特定の科目での医師不足などにより、満足な医療サービスを受けることができないといったケースが生じていることなどが例に挙げられます。

地域間における医療格差

都市部と地方を比較した場合、地方では特に医師不足が深刻で、医療満足度が低くなる傾向にあります。研修医が自由に研修先を選べるようになった今、研修先として都市部の病院に研修医が集中するようになりました。また研修後も地方へ戻ろうとしない医師が多いために、都市部と地方との医療格差が生じています。

この問題を解決するために、地方の病院を研修先として選んでもらえるよう支援体制を整えたり、地方自治体による奨学金制度を実施したりするなど、様々な対策が行われています。また、医師登録制度が作られ、地方に興味を持っている医師と、医師を求めている医療機関とのマッチングを行っています。しかし、これらの対策に即効性はなく、まだまだ地方の医師不足問題は深刻です。

診療科目による医師の偏在

小児科や産科など、特定の診療科における医師不足問題も深刻です。産科では、出産を考えて24時間体制がとられますが、子育て中の女性医師には当直勤務が困難であり、育児中の女性医師を当直から外すと、周りの医師への負担が大きくなるという状況が発生します。また、出産に関連した訴訟リスクの高さなどが医師の精神的な負担となることも、産科の医師を減少させる一因となっています。

医療格差をなくすために

医療格差をなくすためには、医師が働きやすい環境を整えることも大切です。過重労働により、医師の精神的・肉体的負担が増大すると、退職を考える者が増え、さらなる医師不足に陥ります。育児中の女性医師が復職したり、勤務を継続したりできる環境を整えることも、医師不足解消につながり、医療格差を軽減することにつながるでしょう。

また、テレビ電話や衛星回線等を利用した遠隔医療の利用も、医療格差を埋めることに役立ちます。遠隔医療は患者と直接会って診察を行わないため、診療行為ではないと考えられてきました。しかし、平成9年の厚生省の通知により、遠隔医療が正当な医療行為として認められることになりました。専門医のいない地域においても高度医療を受けることができ、患者が遠くの病院まで通わなくてもいいなど、様々なメリットが考えられます。これからの新しい医療の形として、遠隔医療への期待も高まっています。