看護師の職業病

職業病とは、仕事における業務内容や労働条件・環境などが原因となって起こる健康障害のことをいいます。労働基準法においては、業務上疾病と呼ばれます。

職業病にはどのようなものがあるのか

職業病は以前、有害物質などの危険物を扱う職業の人や、環境が劣悪な中で働いている人たちに見られる、特殊なものだと考えられていました。例えば、鉛中毒やじん肺・騒音性難聴・有機溶剤中毒などが挙げられます。これらは、扱う物質の持つ性質や物理的環境が左右する職業病です。

しかし、もともと職業病とは関係ないとされていた職業の人たちにも、だんだんと健康障害が広がっていきました。職業病は、有害物質や劣悪な環境だけではなく、業務そのものが影響するケースがあるのです。例えば、長時間に及ぶパソコンによる作業では、頸肩腕症候群やVDT障害など、新しい健康障害が問題となっています。

看護師の職業病

看護師に起こりやすい職業病には、一体どのようなものがあるのでしょうか。

一般に看護師は、立ち仕事の多い職業です。また、三交代制などで夜勤があったり、急変する患者がいれば仮眠も取れず、なかなか帰宅することができなかったりするなど、過酷な労働環境にあるといえます。このような状況の中で看護師は、慢性的に腰痛を抱えたり、過労による不調を訴えたりする人が多くなっています。

腰痛は、単に重量物を取り扱ったり、腰部や下肢への負担の大きい作業を行ったりすることだけが発生要因ではありません。過重労働や疲労・心理的ストレスなども、腰痛症を引き起こす要因であるとされています。

職業病の予防や悪化防止のために

鉛や有機溶剤を取り扱うなど、特殊な環境下で働く人に対しては、事業者は特殊健康診断を実施しなければならないことになっています。また、VDT作業や振動を伴う作業などに従事する人に対しては、行政指導により事業者による特殊健康診断の実施が奨励されています。

看護師などに起こりやすいとされる腰痛症についても、厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく健康診断として、6か月以内ごとに1回、腰痛についての健診が行われることになっています。
事業者には、労働者の健康を管理しなければならない義務があります。これらの健診をうまく利用し、何らかの異変に気がついたら、早めの受診を心がけましょう。