5大疾病

地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病として、厚生労働省が指定した「がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病」の4大疾病に、平成25年より「精神疾患」を加えた、これらの5つの疾患のことを5大疾病といいます。これらの5大疾病は、厚生労働省が重点的に対策に取り組むべき疾患として指定した疾病です

また、厚生労働省は、5大疾病に加え、「救急医療」「災害時における医療」「僻地医療」「周産期医療」「小児救急医療を含む小児医療」をあわせて5大疾病5事業とし、医療連携体制を構築するとして、医療計画に明記しています。

なぜ精神疾患が加わったのか

もともと厚生労働省から指定されていた4 大疾病に関しては、患者数がここ約10年の間ほぼ横ばいであるのに対し、後に加えられた精神疾患については、患者の数が約1.5倍に増加しているといわれています。その中でも特にうつ病の増加は著しく、職場が原因のうつ病の他、月経前症候群や更年期障害・妊娠・出産・育児に関連したうつ状態など、女性患者も目立つのが特徴です。

また、我が国で自殺する人の多くが精神疾患を患っていた可能性があると考え、自殺者の数が年間3万人を超えることからも、厚生労働省は精神疾患に対する対策を強化する必要があると判断したとみられます。

うつ病による影響

精神疾患の中でも増加が目立つうつ病については、本人や家族が大変なだけではなく、社会的にも損失が大きいといえます。例えば、職場でうつ病になる社員がいた場合、意欲や集中力の低下などにより、仕事がはかどらなくなることが考えられます。その影響により、他の社員の負担が増えることで、その人たちも心身の疲労が蓄積し、場合によっては新たなうつ病患者を生み出すことになりかねません。うつ病の発症により、職場全体の効率が悪くなるため、生産性は下がります。

近年、社員のメンタルヘルス対策に苦慮している企業が多くなっています。平成27年には、常時使用する労働者に対するストレスチェックが義務付けられ、これは精神疾患への対応の重要性が形となってあらわれたものといえます。